← 戻る Grand Park Otaru(グランドパーク小樽) 小樽のホテル Hotel

冷たい指先と、焼きたてのパンの匂い

グランドパーク小樽で挑んだ、大人の(?)贅沢検証リスト

紅葉の完璧な一枚を狙う散歩
結果は大失敗。10月の小樽の空気は少しだけ鋭く、コートの襟を立てても隙間から入り込む冷たい風が耳を打つ。駅を降りてグランドパーク小樽へ向かう道すがら、ふわりと漂う焼きたてのパンの匂いに誘われ、気づけばルートを完全に間違えて名もない路地裏へ迷い込んでいた。けれど、そこで見つけた奇妙な形の石を「これが今回の旅の正解だ」と奪い合った時間は、どんな計算された絶景写真よりも鮮やかで、心に深く刻まれる戦利品になった。

温泉での「誰が一番長く耐えられるか」選手権
結果は全員即脱落。立ち上るしっとりとした白い湯気と、肌を包み込む濃厚な熱量に意識がゆっくりと溶け出し、「もう限界……」と誰かが小さく呟いた頃には、心地よい静寂に身を任せていた。お湯の温度が絶妙に心地よく、まるで温かい繭に包まれているような感覚に負け、勝負の意味さえ忘れて深い眠りに落ちかけた。湯上がりに肌を撫でるひんやりとした空気の心地よさに、「やっぱりここに来てよかった」と全員が同時に確信した瞬間だった。

オーシャンビュースーペリアルームでの「静寂の読書タイム」
結果は予想外の方向へ。裸足で踏みしめるカーペットの厚みが、外の冷気との境界線を明確に引いてくれる。窓の外には、光が水面で屈折して部屋の隅々まで染み渡る、プリズムのような青い世界が広がっており、まるで深い水底に沈んでいるような錯覚に陥った。ページをめくる乾いた音さえ贅沢に感じるほどの静寂に包まれ、結局本は置いたまま、寄せては返す波のように互いの黒歴史を暴露し合う時間へと変わった。本はただの、いい感じの小道具に過ぎなかったが、そのおかげで私たちは心の鎧を脱ぎ捨てることができた。

深夜のモール潜入作戦
結果は大成功。パジャマの上にコートを羽織り、ホテル直結のイオンモールウイングベイへ密かに出撃した。深夜の静まり返った通路を、忍び足で駆け抜けるスリル。色鮮やかなパッケージの菓子を大量に買い込み、午前2時に部屋に戻って血糖値のピークを迎えたとき、理由もなく全員で爆笑した。あの時の高揚感は、日常のしがらみをすべて忘れさせてくれる、この場所でしか味わえない特別な魔法のようだった。

旅の感情スコアボード

一番価値があったのは、計画を捨てて部屋のプリズムのような青い光に溶けていた時間だ。読書タイムは冗談のような結果に終わったが、あの黒歴史大会こそが最高のハイライトだった。「贅沢とは設備ではなく、誰とくだらない時間を共有できるかということだね」と漏らした独り言が、紺色の海へ溶けていく。大人の旅を演じるはずが、辿り着いたのは子供のような無邪気な笑い声が響く、心地よい混沌だった。

窓辺で、冷めたコーヒーから立ち上る最後の一筋の湯気を眺めていた。

  • 朝6時の港まで、あえて目的地を決めずに、冷たい空気の中を歩いてみてください。
  • ラウンジでスマホを置き、1時間だけ「誰が一番早く飽きるか」を競ってみて。