← 戻る ホテル エミオン 札幌

濡れたブーツが廊下に残した、小さな地図

濡れたブーツが廊下に残した、小さな地図

濡れたウールのコートが放つ、少し重たい湿った匂い。11月の札幌は、空気が鋭い刃物のように肌を撫でる。「ねえ、誰が一番先に凍えるか賭けない?」なんて冗談を言い合いながら、私たちは冷気に追い立てられるようにしてホテル エミオン 札幌のドアを潜った。誰かが小さく鼻をすすり、温かいロビーの空気に触れた瞬間、強張っていた肩の力がふっと抜ける。私たちは互いに似ていない。性格も、旅のペースも、心地よいと感じる温度さえも違う。まるで油と水のように、本来なら混ざり合わないはずの個性が、この街の冷たさを触媒にして、ゆっくりと一つの形に溶け出し始めていた気がする。

札幌の冷気とホテルで試した4つの実験

地下通路の迷宮脱出レース
地下鉄「さっぽろ駅」からホテルまで、誰が一番早く辿り着けるかという大人の余裕を捨てた勝負をした。結果は、蛍光灯の白い光に惑わされ全員が方向感覚を喪失し、途中で漂ってきた香ばしい軽食の匂いに誘われて足を止めるという、完全な敗北に終わった。

紅葉の「最後の一片」を撮る戦い
散りゆく紅葉の最も美しい瞬間を切り取ろうと、冷たい風に吹かれながらカメラを構えて競い合った。結果、突風に煽られて誰かのマフラーが舞い上がり、それを追いかけて泥だらけになるというドタバタ劇に発展し、最高の一枚ではなく「最高に滑稽な背中」を撮ることになった。

「ほほえみの湯」での限界突破サウナ
大浴場のサウナで、誰が一番長く耐えられるかという修行のような耐久レースを敢行した。熱気が皮膚の毛穴を無理やりこじ開け、思考が白くなるほどの温度に絶望した結果、全員同時に白旗を上げ、氷のような水風呂へ飛び込んだ瞬間、心臓の鼓動が耳の奥で激しく鳴り響いた。

クラブフロアでの「完璧な大人ごっこ」
13階と14階にあるクラブフロアのラウンジで、カクテルを片手にエレガントに振る舞う計画を立てた。結果、豪華な盛り合わせの最後の一つとなったカナッペを巡って、誰が一番「大人な口調」でそれを勝ち取るかという子供じみた口論に発展し、ふかふかのソファで心地よく笑い転げた。

旅のスコアボード

結局のところ、最も価値があったのは計画した観光ではなく、ホテル エミオン 札幌の「SAPPORO MODERN」を体現する直線と曲線が交差する空間で、ただぼーっと過ごした時間だった。地下通路の迷走は完全なジョークだったし、紅葉の撮影は失敗に終わった。けれど、そんな不完全さが、私たちの関係をちょうどいい具合に乳化させていた。冷たい街の空気でバラバラに分離していた感情が、ホテルの温もりという乳化剤によって、クリーミーで柔らかな一体感に変わっていく。深夜、裸足で踏んだタイルのひんやりとした感触と、ベッドリネンの清潔な温かさ。その温度差に身を委ねたとき、私たちはようやく、自分たちがここにいていいのだと感じられた。

窓の外で、街の灯りが冬の気配に溶けて、淡い光の粒になっていた。

  • 敢えて地図を見ずに地下通路を歩き、自分たちだけの「迷い方」を研究してみてほしい。
  • サウナ後の水風呂で、誰が一番先に「生き返った」という顔をするか賭けてみるのがおすすめ。