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浴衣の帯がほどけたまま、走り回ったあの瞬間

浴衣の帯がほどけたまま、走り回ったあの瞬間

家族が必要とした、あのぬくもり

足を踏み入れた瞬間、厚手の絨毯が足の裏を包み込んだ。子供たちは靴を脱ぎ捨て、裸足で走り回った。足音は吸い込まれるように静かに消えた。ホテル木暮のロビーは、子供の足音を大事にする場所だった。

温泉の源泉が流れる音が、壁越しに聞こえてきた。あの音は、地中で静かに広がる根のようだった。家族が疲れを癒す場所は、目に見えないところで支えられていた。

子供が一番好きだったものは、想像と少し違う

浴衣の帯が解けて、帯締めが床に落ちた。子供はそれを拾おうともせず、走り続けた。一番好きだったのは、浴衣の裾をたくし上げて走り回ることだったのかもしれない。

七夕の短冊に願いを書いた。子供は「おばけが出ませんように」と書いた。母親はそれを見て思わず笑った。父親は「それは現実的な願いだな」と呟いた。

温泉の底で小魚が泳いでいるのを見つけた。子供は「魚さんがお風呂に入ってる!」と大声を上げた。家族全員が足を止めて、池の中を覗き込んだ。

帰り際にふと振り返った、あの顔

帰り際、子供が振り返った。浴衣の帯がほどけたまま、裾が足首に絡まっていた。母親はそれを直そうとしたが、子供は「このまま帰りたい」と言った。

父親はカメラを構えた。その瞬間、子供は笑顔になった。その笑顔は、アルバムの一番端に小さく写っていた。

浴衣の帯がほどけたまま、走り回ったあの瞬間は、今も家族のアルバムの一番端に、小さく写っている。

浴衣の帯がほどけないように、事前に帯締めを二重に結ぶのがおすすめ。

  • ホテル木暮の売店で、子供用浴衣のレンタルが可能です。