階段を登る小さな足音の余韻
早朝七時の窓ガラスは、指先に張り付くような鋭い冷たさを湛えていた。新宿の街が、まだ深い眠りの底から覚めきっていない時間。新宿グランベルホテルのデザイナーズルームに差し込む光は、淡い水彩画のようにゆっくりと部屋を塗り替えていく。この空間は、外…
12月 family U
15 小さな手が指をぎゅっと握った、冬の夜
頬を刺すような冷たい冬風が吹き抜け、どこからか漂ってくる焼き栗の香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。東新宿駅からホテルへ向かうわずか4分の道のり。子供たちの足取りは、未知の体験への期待で少しだけ早くなる。見上げれば、夜空を塗りつぶすほどに激しく明…