子供の指先と窓ガラスのあいだの距離
JR桜木町駅の改札を抜けた瞬間、一月の鋭い冷気が肺の奥まで突き刺さった。潮の香りが混じった冬の風が頬を叩き、足元では大きなスーツケースがガタガタと不規則なリズムを刻んでいる。その隣を、次男が制御不能な速度で駆け抜け、長女は私のコートの裾をぎ…
小さな手がコートの裾を掴んでいた
4月の横浜。肺の奥まで洗われるような、少しひんやりとした空気が心地よい。JR桜木町駅から数分、野毛の入り口に立つと、昼間から焼鳥の香ばしい煙が路地に漂い、誰かの快活な笑い声が春の風に溶け出していた。大人の街の喧騒に、私たちは家族で迷い込む。…