小さな手が指した、夜の青い光
新高島駅の改札を抜けると、そこには春を待つ横浜の、少しだけ冷たい海風が吹いていた。ホテルまでの距離はわずか1分。けれど、歩幅の短い子供たちにとって、その短い道のりは未知の国へと向かう大遠征のような時間だった。3月の午後の光は淡く、頬をなでる…
窓を叩く雨の音と、濡れた靴下のにおい
6月の横浜は、空気が重い。湿り気を帯びた風が、目に見えない大きな膜のように私たちを包み込んでいた。雨に濡れたアスファルトからは、都会特有のむせ返るような土の匂いが立ち上がり、傘を叩く単調な雨音だけがリズムを刻んでいる。家族で旅をするというこ…