バルコニーから観覧車までの、短い距離
指先が触れた窓ガラスは、驚くほどひやりとしていた。その冷たさは指先から肩へと静かに伝わり、まだ眠気の残る意識を心地よく覚醒させる。午前七時。横浜ベイホテル東急のベイビューの客室に差し込む光は、真珠のような淡い青色を帯びていた。隣では、末っ子…
窓に描いた観覧車が、ゆっくり消えていくまで
雨の日の横浜は、すべてが輪郭を失って、淡い水彩画のようになります。6月の湿った空気が肌にまとわりつき、街中には濡れたアスファルトと潮風が混じり合った、どこか懐かしい香りが漂っていました。けれど、その湿り気さえ心地よいと感じられたのは、きっと…