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瞼を閉じても、まだ紫色の光が揺れていた

秋保グランドホテルで試した4つの「大人の遊び」

「とろみ」を競う温泉耐久レース
秋保グランドホテルが誇る湯の濃厚な質感に身を任せ、誰が一番長くこの絹のような熱量に耐えられるかという、大の大人が本気で挑む賭けを敢行した。硫黄の香りが立ち込める湯船の中で、肌にまとわりつくとろみのある感触にうっとりしながらも、次第に心拍数が上がり「もう限界かも」という内なる悲鳴が聞こえ始めた頃に全員が同時に脱出したが、湯上がりにロビーで喉を鳴らして飲み干した氷のように冷たい麦茶の快感こそが、このレースにおける唯一にして最大の正解だった。

カニ完全制覇の戦略的攻略
ビュッフェ会場に漂う芳醇な磯の香りと、皿が触れ合う賑やかな音に煽られ、私たちはカニを効率的に盛り付けるための緻密な作戦を立てて挑んだ。真っ赤な甲羅の山を築き上げ、勝利を確信した瞬間、胃袋に心地よい圧迫感が押し寄せ、メインのデザートに辿り着く前に全員が戦意喪失するというなんとも誇らしい敗北を喫したが、互いの皿の惨状を見て笑い合った時間は、どんな美食よりも贅沢なスパイスになった。

磊々峡への「優雅な」静寂散歩
深い緑に包まれた磊々峡の静寂の中、浴衣の裾を気にしながら自分たちの内面を見つめ直すという、極めて意識の高い散歩を計画した。苔むした岩肌を撫でる湿った風と、遠くで鳴り響くせせらぎの音に癒やされるはずだったが、8月の容赦ない湿度が肌に張り付き、歩き始めてわずか10分で「もう戻っていい?」という妥協案が飛び出し、結局コンビニのアイスを頬張りながら計画通りにいかない旅の心地よさを噛み締めて帰還した。

夜空を切り取る「完璧な一枚」への挑戦
夜空を震わせる大輪の花火が、漆黒のベルベットのような空に鮮やかな光の筋を描き出す瞬間を、ブレひとつない完璧な構図で収めようと意気込んだ。シャッターを切る指に力を込め、火薬の匂いと地響きのような音に包まれながら狙いを定めたが、結果として得られたのは200枚近い「光の線」と「誰かの後頭部」という芸術的なまでに不格好な写真の山であり、しかしそれらの失敗作を眺めるたびに、あの時の興奮と隣で弾けていた笑い声が鮮明に蘇ってくる。

心のスコアボード

結局、一番の価値は深夜2時に本館天宝特別和洋室のベッドに四人で転がった時間だった。エアコンの低いハム音が静寂を塗りつぶし、冷えたシーツが火照った背中に吸い付く。瞼の裏に揺れる紫色の花火の残像は、もどかしさと安心感が混ざり合った不思議な色をしていた。予定を無視して笑い転げることこそが最高の贅沢だと、この部屋の静寂が教えてくれた。旅とは、心地よい失敗の積み重ねなのだ。

濡れたサンダルを脱ぎ捨てて、明日はもっと適当に歩こう。

  • 本館と別館の湯をハシゴして、自分だけの「至福の温度」を探り当ててほしい。
  • カニに挑む際は、デザート用の胃袋を15%だけ死守することを強く勧める。