← 回到 THE LUIGANS Spa & Resort|THE LUIGANS Spa & Resort

早朝6時の青に、誰かが笑っていた

5年後の私たちへ。

まだ覚えているかな。耳が痛くなるほどの鋭い海風と、冬なのに南国を装っていたパームツリーの不思議な光景。計画通りにいかないもどかしさにイライラしながら、結局それが一番の贅沢だったという、あの矛盾した心地よい空気感を。

5年後も指先に触れている、冬の記憶

海の中道駅から、皮膚を刺すような冷たい空気
駅からホテルまで歩くわずか数分、誰が一番先に「寒い」と音を上げるか、静かな賭けをしていた。震えながら意地を張り続け、ザ・ルイガンズ.スパ & リゾートのロビーに滑り込んだ瞬間、同時に「無理!」と叫んだあの声。冷え切った頬が、洗練されたシトラスの香りと暖房の熱に触れてじわりと赤く染まっていく感覚が、今も鮮明に蘇る。

冬の灰色に突き刺さる、メキシコ色の鮮やかな壁
12月の福岡は、世界が彩度を落としたモノトーンに見えた。けれど、ホテルの廊下で出会った情熱的なオレンジやピンクの壁は、そこだけ温度が違うように熱を帯びていた。場違いなほど大きなダウンジャケットに身を包んだ自分たちを見て、「色とりどりのマシュマロみたい」と笑い合った、あの軽やかな時間。視覚的な刺激が、凍えた心まで解きほぐしてくれた気がする。

誰が一番先に寝落ちするかという、深夜の静かな戦い
オーシャンビュールームの、吸い込まれるような白いリネンに深く身を沈めた夜。窓の外には博多湾の深い闇が広がり、部屋の中には誰かの規則的な寝息だけが心地よく響いていた。結局、最後まで起きていた私が、暗闇の中で誰がどの方向を向いて眠っているかを観察していた。あの静寂は、深い海の底にいるような心地よい重さで私たちを包み込んでいた。

早朝の青い海を眺めながら味わった、少し塩辛い朝食
午前6時、世界がまだ深い眠りについている時間。テラスで味わった地元の食材の、絶妙に塩辛い味が、冷えた体にじわじわと染み渡った。コーヒーの白い湯気が視界をぼかし、向かいに座る友人の輪郭が淡く溶けて見えたとき、「ここに来てよかったね」という言葉にならない確信が、静かに心を満たしていた。冷たい空気と温かい飲み物のコントラストが、絆をより密接にした気がする。

5年後の封筒を開いたときに見える景色

たぶん、旅の詳しい行程や、どの店で何を食べたかという詳細は、記憶の隙間から砂のようにこぼれ落ちているだろう。けれど、バルコニーで潮風に吹かれながら、とりとめもなく交わした会話の「質感」だけは、消えずに残っているはずだ。それは完璧な調律ではなく、少しだけ外れた不協和音のような時間だった。けれど、そのズレこそが私たちというグループの正体であり、THE LUIGANS Spa & Resortという場所が、その不揃いな私たちをそのまま優しく受け入れてくれた。5年後の私たちは、もっと正解のある生き方をしているかもしれない。けれど、あの時の「正解なんてどうでもいい」と思えた自由な感覚だけは、大切に抱えていたい。

波打ち際で、誰かが忘れていった一本のヤシの葉が、冬の白い砂浜に静かに落ちていた。

  • 冬の海辺は想像以上に冷えるので、お揃いの厚手のストールを用意して、全力で寒がる時間を楽しんでほしい。
  • ホテルの色彩に負けないくらい派手な色の服を着て、ロビーで賑やかな集合写真を撮るのがおすすめ。