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箱根の秋の空気を、二人で吸い込んだ日

見つけた日

「今日って、月見の日だったんだね」

you said that while peeling an apple in the lobby, its sweet smell mixing with the scent of cypress wood. I didn’t answer—just watched your hands, the way the afternoon light through the window made the skin on your arms look like it was made of something warmer than flesh. The September humidity clung to everything, but here, in this lobby where the scent of cedar lingered like a memory, it didn’t feel heavy. It felt like a third presence, something we were both breathing in without thinking. The air itself seemed to be holding us, just for a moment.

二人のための時間

窓の外では、ススキが風に揺れていた。十五夜を待ちわびるように、細い茎がゆるやかに揺れるたびに、光が断続的に射し込んでくる。それが、この部屋の時間の流れを変えていた。朝食のとき、テラスに置かれたお椀に朝露のような光が落ちていた。おばんざいの味わいは、その光の温度と同じくらい、繊細で、どこか懐かしい。ご飯粒ひとつひとつが、箱根の秋の朝を運んできてくれるようだった。

部屋に戻ると、露天風呂の湯気が、木のぬくもりをさらに深くしていた。浴槽の縁に指を這わせると、タイルはまだ体温を残していた。おそらく、誰かがさっきまでここで身体を休めていたのだろう。そのぬくもりが、自分の肌に移ってくるのを感じながら、二人で湯船に浸かった。外は暗くなり始めていたけれど、ススキの揺れる音だけが、風と一緒に聞こえてきた。

夜になると、空気が一段と重くなった。でも、その重さが心地よかった。囲炉裏の前に座り、火の音を聞きながら、あなたの肩に自分の額を軽く寄せた。その瞬間、箱根の9月が、まるでこの空間だけで完結しているような気がした。外の世界のことは、どうでもよくなった。

箱根の秋の空気が、二人を包み込んでいる。

  • 箱根の9月に、ススキの咲く時期に合わせて訪れてみよう。
  • ラフォーレ箱根強羅 湯の棲の露天風呂で、二人の時間をゆっくりと過ごして。