センチュリーマリーナ函館で敢行した「最高に贅沢な時間泥棒」
「玄米と野菜の限界突破チャレンジ」
二階のテラスで、誰が一番「体に優しい食事」を大量に摂取できるかという、なんとも健康的で不毛な賭けをした。炊きたての玄米が放つ香ばしくどっしりとした大地の香りと、北海道産野菜の瑞々しく弾けるような甘みが口いっぱいに広がる。「これ、本当に健康的な量なの?」と笑い合いながら頬張った結果、全員が腹八分目を遥かに通り越し、予定していた観光スポットまで歩く気力が完全に消え去った。けれど、胃袋から心まで満たされたあの充足感だけは、本物の贅沢だったと思う。
「天空露天風呂での沈黙合戦」
最上階のインフィニティスパで、函館山の夜景を背景に「誰が一番長く黙っていられるか」を競った。四十二度ほどの絶妙な湯温が、旅の疲れで強張った肩の筋肉をゆっくりと溶かしていく。立ち上る白い湯気が街の灯りをプリズムのように屈折させ、視界が心地よくぼやけていた。静寂が極まり、「あぁ、今この瞬間、私たちは完全に溶け合っている」と陶酔した瞬間、誰かのお腹が派手に鳴り響いた。結局一時間ほど笑い転げることになり、人生で最も贅沢な敗北を味わった。
「豪華客船への妄想乗船ごっこ」
ロビーの天井を見上げれば、そこにはまるで巨大な船底のようなデザインが広がっている。私たちは自分たちが本当に豪華客船に乗り込んだと思い込み、あえて大げさな航海用語で会話をすることにした。「船長、客室という名のキャビンへ向かうデッキを確保せよ!」と、廊下を大股で歩く。周囲のゲストに少し不思議そうな視線を向けられていた気がするが、その気恥ずかしさが心地よいスパイスとなり、旅のテンションを最高潮まで引き上げてくれた。
「秋風とススキの迷宮彷徨」
ホテルを後にし、秋の気配が濃くなった街へ。銀色に輝くススキの原っぱを探して歩いたが、肌に触れる空気は冷たいシルクのように滑らかで、どこか切ない温度を帯びていた。結果的に目的地とは真逆の方向へ進み、完全に迷子になったけれど、偶然見つけた自動販売機で買った地元の不思議な飲み物が、驚くほど喉に心地よかった。効率的なルートなんて、この街の魔法にかかっている間は必要ないのだと確信した。
旅の記憶を刻むスコアボード
結局、今回の旅で一番価値があったのは、計画通りに動けなかったことだ。一番のジョークは、静寂を求めて最上階へ行ったのに、結果的に一番騒いだのがあそこだったこと。けれど、予想外のハイライトは、マリーナサウナスィートに戻ってから触れたリネンの質感だった。指先に伝わる生地の滑らかさと、身体を深く包み込むマットレスの適度な反発力。そこには、誰にも邪魔されない完璧な空白があった。センチュリーマリーナ函館という空間は、私たちに「何もしない贅沢」を具体的に教えてくれた。お互いの不器用さを笑い合い、心地よい温度に身を任せる。そんな時間が、何よりも贅沢な旅の報酬だった。
窓の外で、遠い波の音が夜の静寂に溶けていく。
- 愛犬と一緒に旅をするなら、ドッグラバーズルームで贅沢な時間を共有してみて。
- 健康に興味がなくても、あえて朝食ビュッフェで玄米を山盛りにして食べてみて。