← 回到 檜亭 牧水

檜の匂いと友達の声が混ざる部屋

地図が壊れた瞬間、雨が降り始めた

私たちが間違えたのは、地図アプリだったのか、それとも私たちの足だったのか。車のナビ画面が、青い枠線だけを表示したまま固まってしまった。Aがスマホを振っても、Bが再起動ボタンを押しても、同じ青い枠線が私たちを見下ろしていた。「何これ」「マジかよ」「これ、壊れた?」誰かがそう言って、誰かが「壊れたんじゃなくて、地図が間違えたんだと思う」と笑った。

その瞬間、窓の外で雨が降り始めた。最初は小さな音だった。雨粒がアスファルトを叩く音が、車内にまで届く。Bが「うわ、これって maybe 本降りになる?」と言うと、Aが「だったら今すぐホテルに直行しよう」と提案した。でもCが「せっかく来たんだから、この辺を散策してみようよ」と反対した。私たちが車を降りると、空気はすでに湿っていた。上着を脱いだ瞬間、背中に冷たい空気がまとわりつく。草津の6月は、梅雨入り前の蒸し暑さが、空気を重くしていた。


紫陽花の花びらが、私たちの会話を包んだ

間違えた道は、紫陽花の咲く路地だった。花びらは、指先にくっつくほど水を含んでいて、摘むと手のひらに青い筋が残る。Aが「これ、触ると冷たい」と言うと、Bが「Maybe 紫陽花って、雨を蓄える植物なの?」と首を傾げた。Cが「違うと思う。これは単に、雨が降ったからだよ」と突っ込む。私たちは花びらを摘み、手のひらに青い筋を描きながら、笑い合った。

その時、視界の端で小さな光が点滅した。まばたきをすると消える。Aが「何あれ?」と指を差すと、Cが「もしかして、ホタル?」と言った。私たちは足を止め、光の点滅を追った。光は、路地の奥から漏れてくる。私たちは、光を追いかけるように進んだ。

やがて、地元のおばあさんに声をかけられた。「あんたたち、紫陽花園知ってる?」おばあさんは、紫陽花畑の場所を教えてくれた。私たちはお礼を言って、紫陽花園へと足を向けた。

帰り道、誰かが「私たちって、道を間違えたおかげで、最高の夜を過ごせたかもしれない」と言った。誰かが「Maybe そうなんだろうね」と答える。


檜の匂いが、友達の声と混ざる

ひのき亭 牧水の玄関をくぐると、檜の匂いが鼻を突いた。空気が温かいというよりも、檜の匂いが「空気そのものを温めている」ような感覚だった。Aが「Wow、これって amazing だね」と言うと、Bが「檜って、こんなに匂うの?」と驚いた。Cが「 Maybe 部屋に入ったからだよ」と答えた。

部屋に入ると、誰がどのベッドを取るかで小競り合いが始まった。Aが「私は窓際!」と言うと、Bが「はいはい、はいはい」と笑いながら、真ん中のベッドを取った。Cは、壁際のベッドに横になった。「このベッド、柔らかい」とCが呟くと、Aが「Maybe 檜のベッドだからかな」と答えた。

夕食が部屋に運ばれた。料理の匂いと檜の匂いが混ざり合い、部屋全体が温かくなった。誰かが「これ、絶対美味しい」と言うと、全員で「いただきます」をした。食事の間、誰かが「今日の一番の出来事って何?」と聞いた。誰かが「Maybe この檜の匂いかな」と答えた。

その後、私たちは貸切風呂に入った。湯気で鏡が曇り、文字を書くとすぐに消える。誰かが鏡に「Aは美人だね」と書くと、Bが「まじかよ」と笑った。鏡に書いた文字は、すぐに消えた。

部屋に戻り、誰かが「今日の一番の出来事って何?」と聞いた。誰かが「Maybe この檜の匂いかな」と答えた。


部屋の電気を消すと、闇が訪れた。檜の匂いと友達の声が混ざる。こんな夜が、ずっと続けばいいのに。
  • ひのき亭 牧水の貸切風呂で、友達とお湯の温度を巡って賭けをする。誰が一番長く入っているか、 bets をしてみよう。
  • 梅雨入り前の草津町で、紫陽花とホタルを探す夜の散策に出かける。地図アプリは持たず、道を間違えるのも悪くない。