← 回到 濱千鳥之湯 海舟

カーテンを開けたら海の匂いがした

荷物は重く、計画は軽かった

駅前でタクシーを拾った時、運転手が「白浜は桜の季節ですよ」と教えてくれた。私たちは「桜を見に行こう」と決めていたはずなのに、誰かが「それより温泉で温まりたい」と呟き、結局桜は見なかった。タクシーの窓から見える海は、灰色の布を波打たせたように揺れていた。到着して荷物を部屋に放り込むと、潮の匂いがカーテン越しに漂ってきた。誰かが「あれ、誰が部屋を予約したんだっけ?」と呟いた。

浜千鳥の湯 海舟が教えてくれた4つのこと

温泉は、計画の外にあった
浜千鳥の湯 海舟のラウンジにあったソファは、まるで海の波が固まったかのような形をしていた。私たちは「温泉三昧の旅」を計画していたはずなのに、結局一番長くいたのはこのソファだった。沈み込むクッションに体を預けながら、誰かが「このまま寝落ちしてもいい?」と冗談を言った。その言葉に誰も反対しなかった。

梅ジュースは、酸っぱすぎなかった
ウェルカムドリンクの梅ジュースを飲んだ時、みんな「意外と甘い」と驚いていた。最初は「三杯目になったら酸っぱく感じてきた」と文句を言った人も、最後には誰も文句を言わなかった。その頃には、梅ジュースの酸味が心地よい余韻になっていた。

客室露天風呂は、風呂というより部屋だった
部屋に戻って客室露天風呂に浸かった時、浴槽の縁に手を置くと、タイルは冷たくなかった。源泉かけ流しの湯気が立ち上り、それが鏡代わりになっていた。誰かが「鏡っていうか、モヤモヤしてる」と呟いた。そのモヤモヤは、温泉の湯気が作り出す幻想だった。

混浴露天風呂は、混浴というより秘密基地だった
混浴露天風呂に入った時、誰かが「服を着たまま入ろうか?」と冗談を言った。でも結局みんな裸足で、足の裏がタイルの凹凸を感じていた。その感触が、まるで秘密基地の床を踏みしめるようで、誰もが無言で浸っていた。

リストになかった「最高の瞬間」

予定には「花見」と書いてあったけれど、実際に行ったのは白浜駅前の桜並木だけだった。桜は散りかけていて、風が強くて、花びらが目に入った。でもその直後、誰かが「あ、コーヒー凍ってる」と言った。缶コーヒーを持ってベンチに座り、凍ったコーヒーを飲む時の氷の粒が歯に当たる感触が、なんだかとても贅沢に感じた。

朝食の時間、白いご飯に照り焼きチキンが乗っていた。箸を置いた瞬間、誰かが「これ、美味しそう」と呟いた。

  • 白浜駅から浜千鳥の湯 海舟まで、タクシーで10分。ネット予約で簡単に部屋が取れた。
  • 客室露天風呂付きの部屋は、海の見える低層階を選ぶと、波の音が聞こえる。