← 回到 白濱 古賀之井度假酒店&水療中心

濡れた足跡が、畳の上で白く光っていた

心に刻まれた、家族の記憶を奏でる五つの音

湯船で激しく跳ねる、賑やかな水の音。下の子が「見て見て!」と歓声を上げ、小さな手で水面を叩いている。立ち込める白い湯気が視界をぼやけさせ、隣にいる夫の輪郭が水彩画のように淡く滲んで見えた。この温かい飛沫だけが、今の私たちにとって唯一の正解な気がする。賑やかな水音に身を任せていると、日常で抱えていた小さな苛立ちが、温泉の熱に溶けて消えていくのが分かった。

廊下で、ぶかぶかの浴衣が畳を擦る、カサカサという乾いた音。上の子が裾を踏んで「おっとっと」と不格好にバランスを崩し、その不器用なリズムに私はふふっと笑みをこぼした。アイロンの効いた生地の硬い感触が、子供の小さな体にはまだ大きすぎる。完璧な旅なんてなくていい。むしろこのくらいの乱雑さがある方が、後で思い出した時に心地よい記憶になるはずだ。そのままの姿でここにいていいのだと、畳の香りが教えてくれた気がした。

白良浜の海岸に立ち、耳元を通り抜けるヒューという低い風の音。真っ白な砂を踏みしめる足音と、遠くで砕ける波の音が重なり、世界が途方もなく広く、青く感じられる。潮風が頬を叩き、鼻腔に鋭い塩の香りが入り込む。子供たちの小さな肩が私のコートの中で震えているのを感じ、強く抱きしめたとき、孤独というものは消えるのではなく、誰かと共有することで温かい形に変わるのだと気づいた。

夕食のビュッフェで、お皿とカトラリーが触れ合う、賑やかな金属音。どのお料理にするか言い合う子供たちの声が、心地よい喧騒となって空間を満たしている。温かいお出汁の香りと、隣のテーブルから漏れる誰かの笑い声。お腹が空いているという単純な事実に救われる瞬間がある。料理を運ぶトレイのわずかな振動が、家族という一つのチームで旅をしているような、不思議な連帯感を生んでいた。

深夜、部屋に満ちる、静かな寝息の音。重い布団に包まれて、規則正しく繰り返される呼吸。白浜古賀の井リゾート&スパの静寂は、単なる無音ではなく、家族の安心感が積み重なった、ある種の質量を持っているように感じる。暗闇の中で子供たちの寝顔を眺めていると、欠けている部分があるからこそ、そこにお互いを埋める隙間が生まれるのだと思えた。静寂が、心地よい重みを持って私たちを包み込んでいる。

窓の外には、冬の星が静かに瞬いていた。

  • 白良浜の真っ白な砂を裸足で歩き、足の裏に伝わる冷たさと、家族の体温を共有してほしい。
  • お風呂上がり、家族で温かい飲み物を飲みながら、あえて何も計画しない贅沢な時間を過ごして。