五つの目撃者
枕元の目覚まし時計
その朝、なぜか3時17分に止まっていた。停電かと思ったら、電池切れでもなかった。私たちが前の晩、11時まで「明日は6時に起きて朝食を食べに行こう!」と大声で決めたのを、こいつは全部聞いていた。
ソファのクッション
柔らかすぎて、誰かがその上に座った跡が、まるで沈んだ湖の底みたいに残っていた。その跡を誰も消そうとしなかった night。
庭の紫陽花
梅雨の空気を吸って、青と紫のグラデーションを決め込んでいた。私たちが暗くなった庭を裸足で歩き回ったせいで、花びらが靴下みたいにベタついていた。
露天風呂のタイル
肌に触れた瞬間、冷たさと温かさが同時に来る不思議な場所。私たちが真夜中に「誰が一番長く入ってるか競争しよう!」と馬鹿げた提案をしたせいで、タイルの上に足跡がくっきり残っていた。
駅前の自販機
6時に買った缶コーヒーが、まだ売れ残っていた。私たちが「飲み終わるまで戻らない!」と決めたのに、結局30分で戻ってきたから。缶の表面は汗で滑り、誰かが「こんなの飲めるわけない」って捨てようとしたのを、他の誰かが「記念に取っとこう」って止めた。
こいつらが話すとしたら
こいつらはこう言うだろう。
「あの夜、あんたらの声が部屋中に響き渡ってた。ソファの上で足を投げ出してるやつ、ベッドの上で大の字になってるやつ、床に座って紫陽花の花びらを指に絡めてるやつ。
あんたら、本当に6時に起きたのか? あの自販機のコーヒー、まだそこにあったよ。
でも、その馬鹿げた競争が、朝の露天風呂でみんなの笑顔になったのも事実だった。
あんたらのバカげた行動が、この部屋の全てのものを温めてくれた。
布団が重かったのは、あんたらが汗をかいてたからじゃない。あんたらがこの部屋で、本気でバカげたからだ。」
布団の重さが、やっとわかった気がした。
- 三輪 湯河原の朝食バイキングで、地元の紫陽花ジャムを試してみる。
- 駅前の商店街で、梅雨の時期限定のホタル観賞ツアーを探す。