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ぬるいお茶と、誰かの笑い声

ぬるいお茶と、誰かの笑い声

足の指先が、ホテルのバスルームの冷たいタイルに触れた瞬間、少しだけ身震いした。10月の鳥羽は、空気がすでに冬の入り口に立っている。蛇口をひねると、少し時間を置いてから熱い湯が流れ出し、白い湯気が視界をぼやかしていく。その数秒のラグが、なんだか心地よかった。私たちは、お互いに「最高の秋を満喫しよう」と意気込んでいたけれど、実際には計画の半分もこなせていない。でも、それでいいという気がする。

私たちがウィスタリアンライフクラブ鳥羽で試した「作戦」

「誰が一番長く温泉に耐えられるか」選手権
全室に温泉がついているという贅沢を最大限に利用しようとしたけれど、結果は惨敗。3分経った頃に、誰かがタオルを脱衣所に忘れたことに気づいて絶叫し、全員で大爆笑しながら脱出した。お湯の温度は完璧だったのに、私たちの精神力が追いつかなかっただけかもしれない。

10月の鳥羽で「完璧な読書タイム」を演出する
静寂の中で本を読み、知的な時間を過ごす計画だった。けれど、窓の外に広がる紺青の海と、遠くに見える島の輪郭があまりに鮮やかで、結局ページをめくるのを忘れて2時間ほど海を眺めていた。本はただの贅沢なブックマークになっていたけれど、それはそれで成功だったと思う。

地元の秋祭りに「完全なる地元民」として潜入する
街に溶け込もうと密かに計画していたけれど、結果的に都会の匂いが染み付いた格好のままで歩き、どこから見ても「観光客です」というオーラを放っていた。屋台のソースの香りと太鼓の音が体に響く中、浮いている自分たちを客観的に見て、それが一番面白かった。

豪華客船みたいなロビーで、全力で「貴族ごっこ」をする
天井が高く、足音が心地よく反響する空間で、わざとゆっくり歩き、もどかしいほど丁寧な口調で会話してみた。自分たちの不器用さが際立って、最後には耐えきれず、誰かが吹き出した瞬間に全部崩壊した。あの空間の静けさと、私たちの騒がしさのコントラストが、なんだか誇らしかった。


旅のスコアボード

結局、一番価値があったのは「本を読まなかった時間」だったし、一番のジョークは「地元民になろうとしたあがき」だった。でも、予想外にハイライトになったのは、深夜にベッドの中で、誰が一番ひどい言い間違いをしたかを言い合う、あのとりとめない時間。ウィスタリアンライフクラブ鳥羽のベッドは、驚くほど深く、身体がゆっくりと沈み込んでいく。その感覚は、まるで心地よい記憶の底に潜っていくみたいだった。完璧な旅なんて、本当は誰も求めていないのかもしれない。ただ、一緒に笑い合える不完全な時間があれば、それで十分だという気がする。


カーテンの隙間から差し込む朝日の色が、少しだけ青かった。
  • 深夜3時に、あえて誰とも話さずにお風呂に浸かって、海の音だけを聴いてみてほしい。
  • チェックアウト後、あえて地図を捨てて、鳥羽の路地裏で一番美味しそうな匂いがする店を探してほしい。