SOKI ATAMI

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7
3 客層
Minimalist Japanese-style hotel room with tatami mats and shoji screens

ホテル情報

泊の記事

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3月 couple U
32

指先が触れたときの、ほんの少しの温度

三月の風は、肌に触れるとまだ少しだけ鋭い。それは単に冷たいというより、春が来る前の最後の警告のような、あるいは静かな誘いのような質感を持っていて、肺の奥まで澄み渡る感覚がある。熱海駅に降り立ち、SOKI ATAMIへと向かう十分ほどの道のり…

5月 family U
19

庭の草むらで、小さな手が私の指を離した瞬間

指先に触れる五月の風は、まだ少しだけひんやりとしていて、肌を撫でる感覚が心地いい。目の前に広がるのは、目が覚めるような新緑の海。SOKI ATAMIのテラスに足を踏み出したとき、上の子が「見て!森の中みたい!」と叫んで駆け出していった。その…

5月 friends U
22

誰のせいか分からないまま、笑い転げた午後

5月のしっとりとした湿り気を帯びた空気。アスファルトを叩くスーツケースの乾いた金属音が、静かな街に響く。誰が一番最後にホテルに着くかという馬鹿げた賭けをしたが、結局は全員が方向感覚を失い、絶望的な顔で路地裏で合流した。「地図を読んでいたのは…

7月 couple U
27

炭火の音と、指先のわずかな隙間

裸足で踏みしめた床の、ひんやりとした木の感触が足裏から心地よく伝わってきた。ドアを開けた瞬間、部屋の中に溜まっていた濃密な静寂が、熱海の潮風にゆっくりと溶け出していくのがわかった。窓から差し込む午後の光は、熟した果実のように琥珀色に重たく、…

7月 family U
23

浴衣の裾を引く小さな手の温度

濡れた土と、刈り取られたばかりの青い草の匂いが、潮風に混じって鼻をくすぐる。SOKI ATAMIの入り口に降り立ったとき、まず耳に届いたのは、静寂というよりも「音が丁寧に整理された空間」が持つ心地よい緊張感だった。けれど、隣にいる下の子にと…

8月 friends U
18

グラスの氷が溶けるまで、話は終わらなかった

「誰が地図を逆さまに持ってたか、今すぐ白状しろ!」 「いや、俺はちゃんと北を向いてた。お前が右と左を間違えたんだろ!」 「嘘つけ! さっきの交差点で完全に迷ってたじゃん。おかげで花火の特等席、全部埋まってたし」 「まあいいじゃん。結局、コン…

10月 family U
19

テラスの隅で、小さな足がリズムを刻んでいた

テラスバスツインの部屋に足を踏み入れた瞬間、10月の西日が低い角度から差し込み、空間全体を柔らかな琥珀色に染め上げていた。その光は、どこか懐かしい古い絵葉書のように、少しだけ色褪せた温かみを帯びている。上の子はテラスの柵に身を乗り出し、遠く…

11月 couple U
33

指先の温度が、ゆっくりと混ざり合うまで

新幹線の切符の端が少しだけ折れていて、改札を通るのに二度手間かかった。そんな些細な不便さが、なんだか今の僕たちの関係みたいだと思った。十一月の熱海は、想像していたよりもずっと空気が冷たくて、コートの襟を立てても首元に隙間風が入り込む。駅から…

11月 friends U
21

誰のせいか分からないけど、笑っていたこと

足元の小石に躓いて、少しだけバランスを崩した。ふと視線を落とすと、植え込みの隙間に、誰が置いたのか分からない小さな白い折り紙の鶴が、雨に濡れてしっとりと張り付いていた。その小ささと、誰にも気づかれずにそこに居続ける静かさに、なんだか胸の奥が…

12月 couple U
29

指先に残った、冬の海の温度

入り口を開けた瞬間、十二月の熱海の冷たい風が、肺の奥まで鋭く入り込んできた。重いウールのコートが擦れる乾いた音と、かすかに漂う潮の香りに、私たちはどちらからともなく肩を寄せ合う。けれど心にはまだ、東京の駅の喧騒や絶え間ない情報のノイズが、高…

12月 family U
34

炭の香りと、廊下で誰かが笑った音

次男が、自分にはあまりに大きすぎるバスローブを身にまとって廊下を駆け抜けていく。裾が床に擦れる「シュルシュル」という乾いた音。彼はそれをスーパーヒーローのマントだと思い込んでいるらしく、なりふり構わず腕を広げていた。洗いたてのリネンの香りが…

12月 friends U
31

瞼を閉じても、まだ光が踊っていた

「誰が一番に忘れ物をするか」という馬鹿げた賭けをしていたけれど、結局、全員が充電器を忘れるという最悪の展開になった。タクシーのひんやりとしたレザーシートに体を押し付け、車窓に流れる十二月の熱海の街を眺める。頬を打つ風は鋭く、冷たい空気が肺の…