箱根・芦ノ湖 はなをり
ホテル情報
- 住所 日本、〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根桃源台 160
- 電話 +81 460-83-8739
- 評価 · 出典:Google ↗


泊の記事
ビニール袋の音と、部屋の温度
指先の感覚が完全に消え失せるまで、私たちは冬の箱根を歩いた。一月の空気は鋭利なナイフのように冷たく、呼吸をするたびに肺の奥まで凍りつく。九頭龍神社までの往復四十分、誰が一番先に「もう無理」と白旗を上げるかという、大人の遊びにしてはあまりにく…
白い息が重なったまま、しばらく黙っていた
ロビーに足を踏み入れた瞬間、外の冷気にさらされていたウールのコートから、かすかに湿った匂いが立ち上がった。二月の箱根は、空気が鋭い。隣を歩く君の肩が、時折僕の腕に触れるけれど、どちらからともなく少しだけ距離を置く。そんな、心地よくて少しだけ…
冷たい指先が、温かいココアに触れたとき
二月の箱根は、空気が鋭い。吐き出す息は白く重く、そのまま目の前で凍りついてしまいそうなほどの冷気だ。足元のコンクリートを蹴る子供たちのブーツが、乾いたスタッカートのようなリズムを刻んでいる。「梅の花を全部見つけたい!」と小さな指を突き出して…
指先に残った、ぬるいお湯の温度
鼻先を刺す空気には、まだ冬の鋭い棘が混じっていた。私はスマートフォンの画面に張り付き、更新されるたびに絶望を深める桜の開花予想を凝視していた。計算では今日こそ蕾がほどけるはずだったのに。目の前に広がる芦ノ湖は、深い紺色のインクを水に垂らした…
指先が触れるまで、あと数センチの距離
頬を撫でる風がまだ少しだけ冷たくて、白い吐息が薄く空気に溶けていた。四月の箱根・芦ノ湖 はなをりに足を踏み入れたとき、最初に僕の心を奪ったのは、視界いっぱいに広がった水盤テラスの、あの透き通った青だったと思う。空と湖がどこで繋がっているのか…
濡れた足跡が、白い廊下に点々と続いていた
指先に触れる5月の空気は、まだ少しだけ冷たい。けれどそれは、肌を刺すような鋭さではなく、肺の奥まで洗い流してくれるような、透明で清らかな温度だった。箱根・芦ノ湖 はなをりに足を踏み入れ、和洋デラックスルーム露天風呂付の扉を開いた瞬間、まず私…
浴衣の裾が触れる、静かな音だけが響いていた
雨上がりの杉の木の匂いが、肺の奥まで入り込んでくる。7月の箱根は、空気が重い。湿度という名の透明な膜が、皮膚と外の世界の境界線を曖昧にしている。そんな気圧の低さが、かえって心地よかった。隣を歩く君との間に、ちょうど指一本分くらいの隙間がある…
湿った浴衣の匂いと、誰かの笑い声
指先にまとわりつく、八月特有のねっとりとした湿度。車のドアを開けた瞬間、肺の奥まで入り込んでくるのは、箱根の山々が放つ濃い緑の匂いと、雨上がりの土が醸し出す懐かしい香りだった。ロビーに足を踏み入れると、冷房の鋭い冷気が肌を刺し、それまでの熱…
濡れたアスファルトの匂いと、切れたサンダルの紐
(友人Aの視点) 8月の箱根は、街全体が巨大なサウナに飲み込まれたようだった。湿った浴衣が背中にぴたりと張り付き、歩くたびに不快な密着音が肌を撫でる。ジリジリと降り注ぐ陽光に、意識が白く塗りつぶされ、思考さえも蒸発してしまいそうだった。けれ…
ぬるいお茶と、誰かが言いかけた言葉
指先に触れる空気の温度が、少しずつ秋に書き換えられていくのがわかる。湿り気を帯びた風が、すすきの穂を静かに揺らし、どこか遠くで誰かが笑ったような音が聞こえた。私たちは、そんな曖昧な季節の輪郭を追いかけるようにして、箱根・芦ノ湖 はなをりに辿…
朝霧の中で触れた、肩の温度
「ねえ、少し寒くない?」 君が小さく肩をすくめて、私のコートの袖を軽く引いた。指先から伝わるわずかな震えが、秋の深まりを静かに教えてくれる。 「……かもね。でも、この冷たさがちょうどいい気がする」 10月の箱根。空気はすでに冬の入り口に立っ…
小さな手の温度と、温かいトーストの記憶
午前七時。箱根・芦ノ湖 はなをりの朝食会場は、まだ眠気を帯びた柔らかな空気と、焼きたてのパンが放つ香ばしい匂いに満たされていた。大きな窓の外には、芦ノ湖を包み込む白い帳が降りており、富士山の輪郭を淡い水彩画のようにぼかしている。上の子は、プ…