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氷点下の廊下で、分け合ったチョコレートの温度

氷点下の廊下で、分け合ったチョコレートの温度

凍てつく街で見つけた、5つの心温まる不協和音

パジャマ姿の行進曲
パークビュースパへ向かう廊下で、お揃いのパジャマに身を包んだ私たちが、小走りに移動していた。誰が言い出したのか、「ねえ、今の私たち、迷子の幼稚園児みたいじゃない?」と笑い合ったけれど、その不格好さがたまらなく心地よかった。大浴場に浸かった瞬間、指先のしびれがじわりと熱に変わり、立ち上る湯気と共に全員で同時に「ふぅ」と深い吐息を漏らした。心までほどけていく感覚に、心地よい脱力感が広がった。

意識高い系朝食の敗北
「イートウェル・ブレックファスト」という健康的な響きに踊らされ、最初は管理栄養士監修のアイコンを真面目にチェックしていた。けれど、目の前に並ぶ北海道産の濃厚なバターが黄金色に輝き、焼きたてパンの香ばしい香りが鼻腔をくすぐった瞬間、私の理性はあっけなく崩壊した。結果的に皿に積まれたのは、色鮮やかなスイーツとバターたっぷりのパンばかり。「健康的に食べるなんて、この贅沢な空間では無理な話だ」と、心の中で苦笑いしながら、至福の不健康を堪能した。

大通公園の「暴力的な風」
ホテルから徒歩0分という贅沢を享受し、意気揚々と外へ踏み出した。けれど、2月の札幌の風はもはや風ではなく、物理的な衝撃となって肌を叩いた。テレビ塔を背景にオシャレな写真を撮ろうとしたが、あまりの寒さに全員の顔が強張り、出来上がったのは「人生のどん底にいる人々」のような絶望的な表情ばかり。それでも、あの刺すような冷気があったからこそ、ホテルに戻った瞬間の温もりが、身体の芯まで深く染み渡った気がする。

パークサイドダブルへのダイブ
部屋に戻り、靴を脱ぎ捨ててそのままベッドに倒れ込んだ時の、あの深い沈み込み方。パークサイドダブルの清潔なシーツがもたらすひんやりとした感触が、火照った肌にちょうどよかった。誰が一番先に寝落ちするかという、どうでもいい賭けをしながら、琥珀色の間接照明の下で明日行く場所についてとりとめもなく話し合った。正解のない会話が、心地よいリズムで夜の静寂に溶けていった。

深夜のコンビニチョコレート
深夜、誰かが「甘いものが足りない」と言い出し、厚手のコートを羽織って氷点下の外へ出た。戻ってきたとき、コンビニの袋から取り出した安いチョコレートを、指先でちぎって分け合った。カサカサと鳴る包み紙の音と、口の中でゆっくりと溶ける濃厚な甘さ、そして隣にいる友人の体温。そんなささやかな時間が、この旅で一番贅沢な記憶として刻まれた。

重なり合った瞬間の温度

これらの断片的な記憶が、静かに降り積もる雪のように重なり合い、一つの温かな風景になる。私たちは完璧な旅を計画していたわけではない。むしろ、予定通りにいかないこと、寒さに耐えかねてプランを変更すること、そして、お互いの不格好な部分を笑い合うこと。そういう「隙間」のような時間にこそ、本当の親密さが宿るのだと感じた。ホテルリソルトリニティ札幌という心地よい繭のような空間に守られていたからこそ、私たちは素直に、心に秘めていた寂しさや不安を口にできた。札幌の厳しい寒さが、皮肉にも私たちの心の壁を薄くしてくれたのかもしれない。

窓の外で静かに降り積もる雪が、街の喧騒をすべて吸い込んでいた。

  • 2月の札幌は想像を絶する寒さです。最強の防寒着を用意しつつ、室内で脱ぎ着しやすい服装を。
  • 朝食ビュッフェでは、あえて「不健康な選択」を。北海道の濃厚な味に身を任せるのが旅の醍醐味です。