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ぬるくなったビールと、読み間違えた地図の音

ぬるくなったビールと、読み間違えた地図の音

4月の笛吹市で私たちが「全力で試した」ことリスト

「奥庭大滝の前で『静寂』を演出しようとした作戦」
濡れた苔の深い匂いと、氷のように冷たい飛沫が肌に触れた瞬間、春の冷たさに全員が肩をすくめた。尺八の物悲しい音色に合わせ、「大人の余裕」を持って静かに景色を堪能しようと密かに賭けていたけれど、結果的に誰かが派手にくしゃみをした拍子に笑いの連鎖が止まらなくなり、静寂なんてどこかへ飛んでいった。でも、あの肺の奥まで洗われるような濡れた空気の感触だけは、今でもはっきりと覚えている。

「『露天風呂付客室風林』のプールとサウナで完璧なサイクルを追求した件」
サウナの中でじりじりと肌を焼くような熱気に耐え、意識が遠のきそうになったところで、迷わずプールに飛び込む。水面に映る逆さ富士が、自分の激しい動きでぐちゃぐちゃに崩れる様子を眺めていると、「人生の計画なんて、こんなふうに崩れていいんだ」と思えてくるから不思議だ。信じられないかもしれないが、これを3回繰り返した頃には指先がふやけきり、「私たちは人間ではなく、水棲生物に進化したのではないか」という心地よい錯覚に陥った。

「地酒と地ワインの『正解』を探したラウンジ会議」
琥珀色の照明が灯るラウンジで、クリスタルグラスの底で揺れる液体の色をじっと眺めながら、地元のワインを一口。舌の上に残る、少しだけ酸っぱい果実の記憶と、熟成された芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。「最初は仕事の不満を言い合う予定だったのに」という誰かの呟きを合図に、いつの間にか小学生の頃の恥ずかしい失敗談を披露し合う大会に発展。正直、誰が一番ひどい過去を持っているかという、不毛で最高に贅沢な議論に時間を使いすぎた。

「武田神社まで『大人の余裕』を持って歩こうとした挑戦」
お気に入りの靴を履き、春の陽光に包まれながら石和温泉駅からの道を歩いた。足元の砂利がジャリジャリと乾いた音を立てるのが心地よいリズムを刻んでいたが、結果的にヒールを選んだメンバーが途中で悲鳴を上げ、結局は誰かが荷物を持ってサポートするという、泥臭いチーム戦のような展開に。それでも、道端に咲く名もなき花の色があまりに鮮やかで、「迷い込んだ時間さえも旅の特権だ」と思えるほど贅沢な散歩道だった。

今回の旅のスコアボード

指先に残る、温泉のぬるい温度。それがこの旅の正体だったのかもしれない。ホテル甲子園という場所は、日常の雑音を丁寧に濾過してくれる静かなフィルターのような空間だった。ロビーの眩い光から、奥庭の深い緑へと足を踏み入れるとき、身体の強張りがゆっくりとほどけていく。特に「露天風呂付客室風林」で過ごした時間は、外界との境界線が曖昧になる感覚があった。広い空間に、私たちの笑い声だけが心地よく反響する。結局、一番価値があったのは豪華な設備そのものではなく、その贅沢に囲まれながら「なんてくだらないことをしているんだろう」と笑い合えた、あの気だるい空気感だった。

濡れた足跡を畳に残したまま、私たちはまた、次の迷路を探しに行く。

  • 貸切家族風呂で、あえて何も話さずに10分間だけ沈黙してみるという挑戦
  • 地元のワインを一本買い込んで、夜のテラスで誰が一番「旅人っぽい顔」ができるか競い合うこと