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焦げたマシュマロの匂いと、雪に消えた笑い声

焦げたマシュマロの匂いと、雪に消えた笑い声

肺の奥まで凍りつくような、鋭い冷気が鼻腔を抜ける。吐き出す息は白く、重く、目の前の景色をゆっくりと塗りつぶしていく。そんな12月の小樽で、私たちは山郷ヴィラという心地よい箱に身を寄せ合った。完璧なプランなんて、最初からなかったのかもしれない。むしろ、予定が崩れていく音こそが、この旅のメインサウンドだったという気がする。しんしんと降り積もる雪が外界の音を吸い込み、聞こえてくるのは薪ストーブがパチパチとはぜる心地よいリズムだけ。私たちは、この静寂に包まれた贅沢な隠れ家で、あえて「不完全な時間」を全力で楽しむことにした。

山郷ヴィラで挑んだ「心地よい大失敗」の記録

薪ストーブで完璧なマシュマロを焼く作戦:オレンジ色の炎に照らされながら、絶妙な距離感で炙ろうとしたけれど、結果は惨敗。ほとんどが真っ黒に焦げて炭のようになったが、部屋いっぱいに広がった甘く香ばしい匂いが、不思議と心を解きほぐしてくれた。

バレルサウナから雪の中へダイブする挑戦:ヒノキの香りと熱気で肌がじりじりと焼ける感覚から、一気に零下の世界へ飛び出した。全員が同時に「ひぃっ!」と奇声を上げた瞬間、心拍数が跳ね上がり、私たちは完全に同期した。その後の静寂が、驚くほど澄んで心地よかった。

オーガニックショップの食材で挑む「究極のフュージョン料理」作り:併設のショップで仕入れた北海道産の新鮮な野菜を、誰がリーダーかも決めずに適当に鍋へ放り込んだ。結果、味の方向性がバラバラな正体不明の煮込み料理が完成したが、「まあ、いいか」と笑いながら分け合った時間は、どんな高級コース料理よりも贅沢だった。

銭函駅から徒歩15分の雪道迷宮探索:地図を信じて歩いたはずなのに、なぜか同じ景色を三回も通り過ぎた。結局、入り口の目の前で20分間激しい議論を繰り広げたけれど、足元の雪がギュッギュッと鳴るリズムが心地よくて、わざと遠回りしていたんじゃないかと思うほどだった。

旅のスコアボード:正解はどこにあったか

結局、一番価値があったのは、計画していた観光スポットではなく、Villa -SHUN-のふかふかのソファで誰が一番先に寝落ちするかを賭けていた、あのなんでもない時間だった。料理は失敗したし、道に迷ったし、マシュマロは炭になった。でも、そういう「不完全さ」が、私たちの関係性をちょうどいい温度に温めてくれた気がする。「もう無理、お腹いっぱい」と笑い合う声が、柔らかな光に溶けていく。この心地よいノイズを共有できる仲間がいることは、人生における一つの贅沢な周波数なのだと感じた。

揺れる炎の向こうで、静かに世界を白く染める雪の夜。

  • サウナの後に冷たい雪の上に寝転び、空の色が変わるまで静寂に浸ってほしい。
  • 5時間かかるような複雑なボードゲームを持参し、時間を忘れて没頭してほしい。