神戸メリケンパーク オリエンタルホテル
ホテル情報
- 住所 日本、〒650-0042 兵庫県神戸市中央区波止場町5−6
- 電話 +81 78-325-8111
- 評価 · 出典:Google ↗


泊の記事
数秒おきに、私たちを通り過ぎていった光
バルコニーの金属製の手すり。指先から体温を奪い去るような鋭い冷たさと、潮風が運んできた塩の結晶が薄く張り付いた、ざらりとした感触。ところどころに海風に晒されて生まれた小さな錆が、完璧ではない時間の積み重ねを静かに物語っている。けれど、その凍…
バルコニーの冷たい風と、小さな手のひら
磨き上げられた大理石の床に、プラスチック製のキャリーケースが叩きつけられる乾いた音が、高い天井に反響して心地よく、けれどどこか切迫したリズムを刻んでいる。右手にずっしりと重いスーツケースを握り、左手では上の子の服の裾をぎゅっと掴んで、なんと…
手すりの塩が、予想よりずっと冷たかった
バルコニーの冷たい手すり:指先に触れる金属のひんやりとした感触と、かすかに鼻をくすぐる潮風の塩分。遠くの港から聞こえる低い汽笛の音が、夜の静寂を心地よく揺らしている。桜の開花予想を巡って「今年は絶対早い」と「いや、まだ無理」という不毛な議論…
指先が触れたときの、わずかな温度
一緒に広げた地図を、どうやって畳めばいいのか分からなかった。何度折っても、端の方が不自然に跳ね上がり、結局は適当に丸めてカバンに押し込んだ。君が小さく笑って、「まあ、いいか」と言ったときの、あの少しだけ気恥ずかしい空気。完璧にこなせないこと…
雨の匂いと、パジャマの裾が濡れたこと
濡れたスニーカーが、鏡のように磨き上げられたロビーの床に、小さな水たまりを点々と作っていた。六月の神戸は、空気が重く、どこまでもしっとりと湿っている。自動ドアが開いた瞬間、外のむせ返るような雨の匂いと、潮風の混じった気配が、ホテルの凛とした…
濡れた靴のまま、夜の海を眺めていた時間
5年後の私たちへ。あの6月の神戸、雨ばかりだったけど、不思議と心地よかったよね。誰が一番に「最悪だ」と言うか賭けていたけど、結果的にみんな黙って海を見ていた、あの時間を書き残しておくね。…
浴衣の裾が、静かに床を擦る音
帯をきつく締めすぎたせいか、呼吸が少し浅い。七月の神戸は、空気が水分をたっぷりと含んでいて、歩くたびに浴衣の麻の生地がじっとりと肌に張り付く。君の歩幅に合わせようとして、何度も裾を踏みそうになる。私たちはまだ、お互いの歩幅に慣れていない。そ…
水面に溶ける青い光と、手のひらの熱
君がバルコニーの手すりに体重を預け、夜の海を見つめながらそう呟いた。十月の神戸は、夜になると空気がすっと冷たく、潮の香りが混じった風が頬を撫でる。私は隣で、少しだけ強くなった風に肩をすくめ、ポケットの中で指先を丸めた。遠くで聞こえる港の汽笛…
パンケーキの欠片と、遠い汽笛の音
指先で触れたテーブルクロスの、糊のきいた硬い質感。その真っ白なキャンバスの上に、長男が不器用に取り分けたパンケーキの小さな欠片が、ぽつんと取り残されている。彼はそれを慎重に剥がそうとしていたが、結局うまくできず、そのままの形で固まってしまっ…
子供の指先が、窓の結露に小さな丸を描いていた
石畳を転がるキャリーケースの硬い音が、冬の冷たい空気に弾けていた。12月の神戸は、肺の奥まで凍てつかせるような鋭い風が吹き抜け、肌を刺す冷たさが旅の始まりを告げている。潮の香りが混じった風に吹かれながら歩みを進めると、視界に飛び込んできたの…