冷たい指先が、お茶の湯気に溶けていく時間
凛冽な空気が肺の奥まで突き刺さる。1月の那須塩原は、すべてを凍てつかせるような静寂に包まれていた。雪を被った地面を叩く子供たちの小さな靴音が、乾いたリズムで響き渡る。「もう歩けないよ」と泣き言を漏らす次男の頬は、熟した林檎のように真っ赤だ。…
畳に落ちた、小さな足跡の温度
指先に触れたティーカップの陶器が、まだ少しだけ冷たい。窓の外に広がる空気は、頬に張り付く濡れた布のようにひんやりとしていて、3月の那須がまだ冬を離したくないと駄々をこねている気がする。目の前のテーブルに目をやると、杉の木目が不規則な川の流れ…