呼吸が重なる、四角い静寂の中で
指先に触れるロールスクリーンの布地が、わずかにざらついていた。カードキーをかざして扉を開けた瞬間、目の前に広がっていたのは、わずか二平米という潔いまでの空白。真っ白なシーツが張り詰めた冷たさを湛え、かすかに漂う洗剤の清潔な匂いが鼻腔をくすぐ…
氷が溶ける音と、隣にいるあなたの体温
コンビニで買ったピーチティー。結露で指先がしっとりと濡れ、冷たさが肌に心地よい。ストローで吸い上げた最初の一口は、驚くほど鋭い冷気と共に、少しだけ人工的な甘さが喉の奥へと滑り落ちた。八月の新宿は、空気が重く、湿度が皮膚にまとわりつく。新大久…