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パジャマのままで見た、青い夜の街

パジャマのままで見た、青い夜の街

家族の記憶を彩った、ヒルトン横浜での5つの断片

黄金色の手すり:ロビーに鎮座するアールデコ調の螺旋階段。指先に触れる金属のひんやりとした質感と、磨き上げられた鏡面のような光沢が、日常を忘れさせる高揚感を運んできた。けれど、上の子が舐めていたキャンディのせいで、一部がわずかにベタついていた。その小さな「生活感」に、真っ先に眉をひそめたのは、潔癖な父親だった。

深い青のカーテン:プレミアムツインルームの窓辺に構える、ずっしりと重厚な生地のカーテン。それを閉め切ると、外の喧騒が嘘のように消え、部屋の中は深い海の底のような静寂に包まれた。隙間から漏れる横浜の夜景が、まるで水面に揺れる光のように幻想的に見えた。この心地よい暗闇に、真っ先に潜り込んでしまったのは、好奇心旺盛な下の子だった。

ひな祭りの苺菓子:口の中でふわりとほどける甘さと、春を告げる鮮やかな赤色。白いシーツの上に小さな赤いシミを作ってしまったけれど、その不完全さがかえって旅の記憶を鮮明にする。窓から差し込む3月の柔らかな光が、家族の笑い声を黄金色に染め上げていた。この春の訪れを、真っ先に頬張ったのは、母親だった。

ケーアリーナ横浜の光:夜の闇に脈動するように浮かび上がる、巨大なネオンの光。遠くで奏でられているはずの音楽が、建物の振動となってかすかに足裏に伝わり、静かな部屋に心地よい緊張感を与えていた。「あそこでお祭りをしているのかな」という子供の呟きが、家族の会話を弾ませる。夜空に浮かぶ光の輪に、真っ先に指を差したのは、上の子だった。

大きすぎるスリッパ:パタパタと床を叩く、乾いた軽快な音。かかとが大きく余ったまま、一生懸命に廊下を歩く小さな足跡が、ホテルの静寂の中に微笑ましいリズムを刻んでいた。豪華な設備に囲まれながらも、そんな不格好な姿でいられる安心感が、家族の絆をより深く結びつけてくれた。この大きな靴を、真っ先に履きこなそうとしたのは、下の子だった。

明日も、この青い街のどこかで、家族の笑い声が響き合う気がする。

  • 3月の夜風はまだ冷たいので、お子様には厚手のカーディガンを一枚多めに持たせてあげてください。
  • 朝食の後は、新高島駅までゆっくり歩いて、街の角に咲き始めた小さな春の気配を探してみてください。