← 戻る イマジン ホテル&リゾート函館

窓の外で海が白くなっていくのを、ただ見ていた

窓の外で海が白くなっていくのを、ただ見ていた

1月の函館、イマジン ホテル&リゾート函館で試した「4つの無謀な検証」

バルコニーでのシンクロジャンプ:耳の奥まで突き刺さるような鋭い海風と、鼻腔をくすぐる冬の潮の香り。そんな極寒の中、3人で同時に跳ぶという無謀な計画を立てた。「せーの!」の掛け声と共に舞い上がったが、結果は惨敗。誰かが遅れ、誰かが早すぎ、写真に残っていたのは、寒さに震えて不格好に縮こまった人間たちの断片だけだった。けれど、静まり返った冬の空気に、私たちの弾けるような笑い声だけが驚くほどクリアに溶けていったのが心地よかった。

朝食バイキングでの「究極のいくら丼」構築:どっちがより美しく、かつ贅沢にいくらを盛り付けられるかという、静かなる美学の戦争。宝石のように輝くオレンジ色の粒が、口の中で一粒ずつ弾ける感覚を楽しみながら、皿の上に小さな海を再現しようと試みた。しかし、次第に「美しさ」よりも「どれだけ早く完食できるか」という食欲の競争へシフトし、食卓はカオスな状態に。それでも、あの濃厚な塩気と贅沢な味わいは、間違いなく今回の旅における正解だった。

熱帯植物園までの「贅沢な迷路」探索:ホテルから徒歩2分という至近距離を、あえて迷いながら歩くという時間の浪費。ブーツの下で霜がサクッと鳴る冷たい空気の中、植物園の入り口に足を踏み入れた瞬間、不意に漂ってきた熱帯の湿った土の匂いと濃厚な湿度。その強烈な温度差に、肺の奥まで洗われるような快感があった。「最短ルートなんて、旅には必要ないよね」と誰かが呟いたとき、冷え切った指先を互いに温め合った時間が、何よりの贅沢に感じられた。

深夜3時の「悩み深掘り」選手権:ラグーンのお部屋に広がる、吸い込まれるような深い静寂の中で。厚みのあるふかふかのベッドに深く沈み込み、淡い間接照明が作る天井の陰影を見つめながら、普段は心の奥に仕舞い込んでいることをぽつりぽつりと話し合った。広い部屋に私たちの小さな声が心地よく反響し、それがまるで穏やかなリズムのように耳に届く。結論は出なかったけれど、悩みというものは、誰かと共有することでその重さが少しだけ分散されるのかもしれないと感じた夜だった。

旅の感情スコアボード

結局、一番価値があったのは、何も計画しなかった空白の時間だった。チェックイン時にもらった林檎のクッキーを、上品に食べようとしてコートにこぼしたあの瞬間や、朝食の焼き立て塩パンが指先に残したじわりとした温かさ。イマジン ホテル&リゾート函館という空間は、外の厳しい白銀の世界と、中の柔らかな安らぎを隔てる、心地よい膜のような場所だった。裸足で触れたタイルの冷たさと、そこからベッドの質感へ移動するときの温度変化にこそ、旅の快楽が隠れている。私たちは何かを探しに来たのではなく、ただ「何もない時間」を分かち合いに来ただけなのだと気づかされた。

湯気が窓を白く塗りつぶし、外の世界がゆっくりと消えていく。

  • バルコニーで海を眺めながら、誰が一番早く「もう無理」と白旗を上げるか静かに賭けてみて。
  • 朝食の塩パンをあえて最後に食べ、その温もりの余韻だけでチェックアウトまで過ごしてほしい。