小さな足音がカーペットに吸い込まれる音
鼻の頭がツンとするような、冷たくて鋭い風が吹き抜けていた。1月の白浜は空気が極限まで透き通っており、遠くに佇む白浜海中展望塔のシルエットが、まるで誰かが丁寧に切り抜いた白い紙細工のようにくっきりと青い空に浮かび上がっている。塩の香りが混じっ…
子どもの足音がカーペットに沈む頃
9月の白浜の道は、秋祭りの準備で少しだけ忙しい。ススキが風に揺れ、盆栽のような石灯籠が店先に並んでいる。その石灯籠は、海辺の塩分を含んだ空気に触れて、うっすらと白く輝いているように見える。子どもたちは靴の底でアスファルトの温度を確かめるよう…