チェックインしてすぐ、誰かが買ってきた地元の小さな和菓子を一つ、四人で分け合おうとした。誰が一番大きい一切れを食べるかで、信じられないくらい真剣な議論が始まり、結果的に誰かがお茶をこぼして、テーブルの上が小さな湖のようになった。そのとき、誰かが堪えきれずに吹き出した。その屈託のない笑い声が、この旅の正しいリズムを決定づけた気がする。
私たちの不器用な青春を静かに見守っていた五つの証人たち
デラックスルームの厚いカーペット:足の指が深く沈み込む、雲のような柔らかさと、清潔なリネンの香りが漂う空間。ここで私たちは、「誰が窓側のベッドを確保するか」という、人生で最もどうでもいい賭けに興じた。「ここ、私の場所だってば!」という幼い叫び声と、ジャンケンに負けて端っこの狭いスペースに丸まった者の絶望的な静寂を、この深い毛足はすべて飲み込んでいたはずだ。
和ダイニングの高く突き抜けた天井:天窓から降り注ぐ柔らかな光が、料理の湯気と一緒にゆらゆらと舞い上がっていた。私たちは「大人の旅」を気取って、和会席の繊細な盛り付けについて語り合ったけれど、結局は誰が一番高く寿司を積み上げられるかという、幼稚園児のような競争に没頭した。賑やかな笑い声が反響するその滑稽な光景を、高い天井は慈しむように見下ろしていた。
古材の深い色味を帯びた欄間:どこか懐かしい古い木の匂いがかすかに漂う、落ち着いた質感の空間。その下で、私たちは誰が誰に気があるのかという、口に出すと壊れそうな秘密の話を、わざと大きな声で言い合っていた。「本当はさ……」と切り出した瞬間の、心臓の鼓動が早まる音。古材に刻まれた長い年月に比べれば、私たちの悩みなんて、ほんの数秒のノイズに過ぎないことを、この木は知っていたのかもしれない。
宙湯の揺れる湯面:肌にまとわりつく、とろりとした心地よい温度と、かすかに漂う硫黄の香り。最初は静かに別府の街並みを眺めていたけれど、気づけば誰かがいたずらっぽく水を跳ね上げ、それが合図となって、大の大人が全力で水遊びを始めていた。警備の方に注意されそうになり、慌てて「深い瞑想中」を装ったときの、あの気まずい沈黙を、温かなお湯は優しく包み込んでいた。
海側客室の白いカーテン:春の潮風に吹かれて、大きな帆のようにふわりと膨らんでいた。深夜三時、部屋に満ちる静寂と遠い波音の中で、私たちはベッドに寝転がったまま、新生活への不安や、今の自分たちがどこに向かっているのかについて、とりとめもなく話し合った。カーテンが揺れるたびに、私たちの迷いも一緒に外へ連れ出されていくような、不思議な解放感があった。
もしこれらの物たちが口を揃えて語り出すなら
きっと彼らは、私たちを「騒々しいけれど、心地よい不協和音のような旅人たち」と呼ぶだろう。別府温泉 杉乃井ホテルの持つ、あの圧倒的な開放感と、洗練された静謐なデザインは、私たちの乱雑さを際立たせるための最高の背景だったのかもしれない。ガラスを通り抜けた光がプリズムのように分かれ、部屋の中に七色の粒が舞うとき、私たちの関係もまた、一人ひとりの色が鮮明に浮かび上がっていた。完璧に調和している必要なんてない。むしろ、少しだけズレているからこそ、一緒にいることが面白い。この場所は、私たちが「格好悪い自分」をさらけ出しても、それを美しい風景の一部として受け入れてくれる、そんな寛容な器のような空間だった。
ベランダに舞い降りた桜の花びらが、春風に押されてゆっくりと海へ消えていった。
- 早朝の「テラス&ダイニング ソラ」で、まだ眠い目をこすりながら別府湾の深い青色を確認すること
- 地獄めぐりの途中で、あえて一番地味だと思った場所で、一番大きな声で笑い合うこと